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クロネコヤマトの営業戦略。長所と短所は背中合わせ|Web限定レポート

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クロネコヤマトの営業戦略。長所と短所は背中合わせ

弱小企業の営業戦略

弱小企業の営業戦略の原則は一点集中です。まず得意分野に絞ることです。その得意分野は「弱点」から見つかることもあります。クロネコヤマトの宅急便でお馴染みのヤマト運輸が、弱小企業から全国制覇を実現したのは「営業戦略」の勝利といっても過言ではありません。

クロネコヤマトが弱小企業

クロネコヤマト(ヤマト運輸)といえば宅配業界の雄ですが、「宅急便」をはじめた頃(1976年)は物流業界の弱小企業でした。
大正8年(1919年)に創業の老舗「大和運輸」は戦前、近距離運送で日本一と呼ばれるほどの企業でしたが、戦後のモータリゼーションの発達、鉄道・航空などによるロジスティクスの変化に対応できずに喘いでいたのです。

配送業者の儲けの法則

大量生産・大量消費が日本人の生活に組み込まれた時代、大型物流が求められました。ところがヤマト運輸が得意としていてのは「都市部」を中心とした近距離配送です。道路は入り組み、渋滞し、荷物は小口ばかりです。「一括で大量の荷物を長距離運ぶ」のが、当時の配送業者の儲けの法則。おまけに工場などの荷物は毎月定期的な量が確保されますが、都市部のそれは不定期で予想もつきません。

一点集中の営業戦略

当時の常識から見れば不利な条件ばかりのなかにヤマト運輸はいたのです。また「宅配事業」は、当時「郵便小包」が圧倒的なシェアを握っていました。
しかし、勝ち目があるとすれば「宅配」しかないと当時の社長小倉昌男さんは決断します。米国にはUPSがあり、日本は米国のライフスタイルを追いかけている点に賞賛を見たのです。そして、一点集中を決断したのは意外にもあの企業を参考にしたとされています。

一本足打法に学ぶ

牛丼の「吉野家」です。BSE騒動で米国産牛肉が入手できなくなる前の吉野家のメニューは牛丼だけでした。その一点集中で全国制覇したのです。
ヤマト運輸も「宅急便」に集中することにしました。すると弱点は強みに、ピンチはチャンスになると知ります。

ライバルの追随を許さない

宅配便市場の主な客層は「都市部」でした。ドライバーは小さなエリアで「集中的」に集荷や配送ができます。営業開始当日の全出荷個数は「11個」だった宅急便は急速に取扱高を上げ、その後の快進撃はご存じの通りです。宅急便の成功に焦った配送業者が次々と後を追いましたが、配送業者が嫌った「都市部」はヤマト運輸の独擅場で勝負にならなかったのです。

クロネコヤマトのブルーオーシャン

弱小企業の営業戦略は一点集中しなければならないことをヤマト運輸の成功が教えてくれます。「あれもこれも」と手を出して、ライバル企業に勝てるほどビジネスは甘くありません。そして、都市部を客層とみるように、不利と思われる舞台も、切り口を変えて見ることでライバルのいない「ブルーオーシャン(争いがなく食糧に恵まれた海)」に出会うことができます。

有限会社 アズモード 代表
ITジャーナリスト
宮脇 睦
(みやわき あつし)
本記事を執筆した 宮脇 睦の連載記事はこちから

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