インターネットは道具です。そしてこの道具はその価値と使い方を正しく利用すると今までの常識を覆す結果をもたらします。
2007年09月14日発行号
目次♪
1:新着情報
2:伸びる会社は知っている!→検索しても見つかりませんでした
閑話休題:心を1gだけ軽くする一言。ものはいいよう〜
3:実践テクニック編!〜文章力という宝(3)〜
4:プロが教えない話外伝!〜勉強の分が料金に反映〜
それでは始まりです!!!
インプレスR&D サイトにて週刊連載 9月12日掲載
「ホームページが失敗する理由。成功例に憧れず失敗から学ぶ」
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2007/09/12/1852
欧米か! とは人気漫才コンビ「タカアンドトシ」のギャグです。
とはいえ欧州とアメリカは文化的にも歴史の上でも違うもので、欧州はひと括りにできないほどの違いがあります。
ラテン系のイタリアとエスプリのフランス、そして原子力発電所のようなデリケートなものは、日本人かドイツ人以外に運用させてはいけないといういわれるほどの勤勉さを誇るドイツといった具合にです。
また、歴史の浅い移民国家アメリカと、歴史を(程度はありますが)共有している欧州という区別もあります。
この区分からすれば日本は欧州に近いのですが……アメリカ化が日々進んでいます。
前号で予告しましたがブログの書き方。
それは「アメリカ人のように」です。
端的に言えば答えから書くということです。
一番肝心なこと、伝えたいことを最初に提示します。
それは何十万とあるブログの中で読んで貰うためには、書き出しの数行で答えを教えないと次に読み進まれないからです。
ちょっとした読書家にとっては異論があることでしょう。
「答えが分かったらもう読まないよ」と。
本の楽しみはページをめくるたびに開かれる新しい世界です。
次々に発見と興奮が訪れ、知的好奇心を満たしてくれます。
ここでは知らないことは恥ではなく、それにより得られる満足の方が大きいと感じます。
ここでアメリカ人化が登場します。
「俺様に分からないことを言う方が悪い」。
自分たちの正義を押しつける彼の国の政策への比喩的表現ですので、言い換えますと「即席インテリ志向」といったところでしょうか。
手間も暇もかけず、努力などもってのほかでも頭がよい自分でいたいという人が多くなったのです。
昨今、大学の課題に対して「ネットで検索しても見つかりませんでした」という回答があるというのも同じ流れです。
そこに、ネットで検索という他人の知識の拝借を自分の能力と勘違いしていることが拍車をかけています。
もちろん、最初に触れたように増えすぎたブログの中で情報に辿り着く取捨選択として数行しか読まれないというのもあります。
だから、ブログで集客を考えるのであれば、最初の数行に答えを用意してあげなければならないのです。
一方、時間はかかりますがじっくりと論理展開を理解できるお客さんが欲しければ、こんなことをする必要はありません。
読書家は最初の数行で文章のインテリジェンスを嗅ぎ分け、そこに興味を持てば一つのエントリーぐらいは最後まで読んでくれるものですから。
これも客の選別で前号の「価格の話しは最初にしない」と通底します。
最近の新書ブームも「即席インテリ商品」で、酷い場合は前書きに全てが書いております。
とある情報起業家が現役引退を宣言しました。
今後、ノウハウの提供は控える……できなくなると。
だから、今回最後のチャンスでこの商品買ってねというまるで家具屋の「閉店セール」のようなものですが、理由は「関連企業が上場するからノウハウを公開できなくなる」といいます。
上手い! 彼の商売には何億稼いだとかいう演出がつきもので「風説の流布」に抵触する危険性もあるもの。切り口ともいいますが。
文章とはなんぞやと問われて今の私が答えるとしたら「再現性」でしょうか。
録画に録音とそのままを記録する道具が増えた現在ですが、これらが100年後にそのまま使えるかという微妙です。
例えば動画圧縮技術にしても日進月歩で進化していますし、家庭用ビデオでもベータ規格はレッドデータブックに掲載され、私の子供頃に流行った「8mフィルム」は、フィルムが手元にあっても「映写機」がなければ再生することができません。
ところが文学(文章)は普遍です。
平家物語も源氏物語も読み手に委ねられることで、時を越えていきいきと再現されます。
対話も睦言も説教も。
受取手により変化しますが、それもまた妙味でこれは次回に詳しく。
ローマ時代より「近頃の若者は大人のいうことを聞かず」とこぼされていたことを21世紀に知ることができるのも文章あればこそです。
最近では制作案件よりもコンサルティングが多くなり、その次に執筆活動をしていますが、執筆の次に「教育(レクチャー)」の依頼も少なくありません。
プロに依頼するホームページの料金を高いと思うか安いかは価値観ですが、教育をしているとやはりそれなりの料金(と、いってもウチの場合は都心の企業と比して高くありませんが)が発生するのも仕方がないと確認させられます。
CSS(スタイルシート)にしても、HTMLタグの理解がなければ、絵に描いた餅となるのですが、SEOなら必須と聞きかじりレクチャーを求める人がいます。
仕方がないので最初から説明するのですが、最初から説明するとそこだけでかなりの時間を割かなければなりません。
また、残念ながらホームページのトレンドは移り変わるので、適時情報収集と勉強が必要でこの分が料金に反映します。
原価が少ない商売ですが濡れ手に粟ではありません。