インターネットは道具です。そしてこの道具はその価値と使い方を正しく利用すると今までの常識を覆す結果をもたらします。
2008年12月26日発行号
目次♪
1:新着情報
2:伸びる会社は知っている!→20年飯を食ってきた。昨日今日のお前に
閑話休題:心を1gだけ軽くする一言。天賦の才よりサービス精神〜
3:実践テクニック編!〜文章力という宝(39)〜
4:プロが教えない話外伝!〜生き残れば勝ち〜
それでは始まりです!!!
■心得其の103
「差別化のゴールは神。できないのなら商売を辞めろ」
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2008/12/24/4689
■マンガ「Web担当者 三ノ宮純二」
第1話:居酒屋に学ぶネットビジネス
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2008/11/27/4323
未曾有を「ミゾユウ」と表現して楽しんでいると、本当はどちらだったのかと混乱してしまいます。
100年に一度の経済危機といいます。
しかし、天の邪鬼な私は首をひねります。
100年というスパンで振り返ると、歴史のテストの暗記項目を一つ増やした「世界大恐慌」は1929年で、あれからたった79年しか経っていません。
「ブラックマンデー」も日本のバブル崩壊もこの100年間の出来事で、更にいえば世界中のマネーが仮想空間を通じて瞬時に取り引きされる時代は過去になく、まさしく未曾有。単語の選択としては麻生総理は正しく、次に同様の危機が訪れるのは100年後ではなく来年かも知れないのです。
恐怖を煽るつもりはありません。
これらは「経済危機」に過ぎませんから。
私が一番怖れているのは地球寒冷化よる食糧危機です。
温暖化ではなく寒冷化。
今は間氷期で氷期となれば食べ物がなくなるからです。
逆に温暖化は永久凍土を耕作地に変える可能性を含んでおり、稲作も暖かくなれば二期作が期待できます。
資源の無駄遣いを肯定しているワケではありませんが、食糧危機への備えがない我が国に不安を覚え、それに比較すれば経済問題などは金持ちの預金通帳のゼロの桁が変わるだけの話しだということです。
ま、とばっちりを庶民もうけ、今回のそれはアメリカ人の浪費と博打のツケを世界中で均等割りしているようなもので不満は沢山ありますが。
取次業務の周辺から「チラシを作る」を発見しました。
大層な表現をするのは創業20年を越える会社でチラシを取り扱いながら「作る」を誰も見つけていなかったからです。
私の入社する遙か前に退職していた「先輩」は印刷ブローカーとなっておりヒントはありました。
しかし、「取次業務」に誰も疑問を持たず、営業会議は「新規獲得」というタヌキの皮数えるばかり、役員会議からのご下命は毎年「粗利昨年対比15%アップ」。経営方針は社長がどこかで仕入れた精神論です。
精神論は実行して意味を成すものであり、自らを律せない経営者の暇つぶしに付き合う余裕は「再チャレンジ中」の私にはありませんでした。
そこで勝手にチラシ印刷を受注しはじめ数年後に新規事業となります。
とはいえ「粗利昨年対比15%アップ」も印刷に傾倒する引き金にはなりました。
取次の利益率は10%もなく、過熱する値引き合戦に粗利率は下がり続け、「取次では無理」という結論に達したからです。
経営陣にこのことを主張すると頭ごなしに否定されました。論旨はこうです。
「俺達は取次で20年飯を食ってきた。昨日今日のお前にわかるか」
だから勝手に始めました。
今日までの20年と明日からの20年が異なることは社史にはなくとも人類史が教えてくれます。
未曾有という言葉があるように。
そして何が起こるか分からないから楽しい。
よいお年をお迎えください。
西原理恵子著「この世でいちばん大事なカネの話し」より。
彼女を天才と評する人が多い中で、本人は美大時代に体感した画力という才能のなさを痛感し、しかしサービス精神が才能を凌駕すると喝破します。
要点をまとめれば「差別化」で、画才があっても金を稼げないものは多く、差別化できれば才能は増えなくても収入が増えるといいます。
差別化の基本がサービス精神。
相手が喜ぶことをイメージして。
事実を歪めることはどうかと思いますが、事実に対する認識は人により異なります。
自衛隊幹部による論文騒動も内容を掘り下げれば、歴史をどの視点から認識するかで大きく異なります。183号の外伝「メディアリテラシーの基礎の基礎」で紹介した居酒屋殴打事件のようにです。
文章表現においてどちらの立場に立つかは重要です。
特に商売用を書くのならば両論併記ではなく立ち位置を旗幟鮮明としなければなりません。
その際に「簡略化」や「嘘」を意識的に用いるのです。
例えば「自分をgoogle化する」という教義は情報活用を根本としますが、googleは検索エンジン=プログラムです。プログラム処理ですむことをわざわざ人間がやっても価値など生まれません。
つまり、これは「google」という看板を利用した文章表現上の簡略化と嘘ということです。人の情報で金を稼ぐという暗喩として「google化」かもしれませんが。
分解していくとほぼ全てのビジネス書はこの手法を用いています。
今年の最後にちょっと辛い話しをします。
全業種にいえることですが、特にIT業界には直撃するであろう荒波について。
不況になると「IT」は必ず伸びます。
時間浪費型ビジネスにおいてITはもっとも低コストに時間をつぶせますし、節約のための情報収集にも活用されるからです。
しかし、その前に淘汰という荒波がやってくるのです。
インターネット元年以降の不況では中小零細が大手の発注減少で、ITバブル崩壊後は星の数ほど合ったSOHO系が。ホームページ屋として独立するも、当て込んでいた代理店から仕事が来ずに会社員に戻ったり、契約社員で食いつないだりと。
そして時代は繰り返します。
内部留保のない企業は貸し渋り・はがしで即死し、代理店や知人頼みの営業施策は我が身から守るという生物の本能の前に干上がることでしょう。
そして次の時代がやってきます。
締めくくりは楽しい話しで。
生き残れば勝ちです。
淘汰の末に業者が減ります。
良い時代もまた繰り返されるものですから。