インターネットは道具です。そしてこの道具はその価値と使い方を正しく利用すると今までの常識を覆す結果をもたらします。
2009年5月29日発行号
目次♪
1:新着情報
2:伸びる会社は知っている!→感動したと握手を求めます
閑話休題:心を1gだけ軽くする一言。歴史は思いこみ〜
3:実践テクニック編!〜情報収集術(8)〜
4:プロが教えない話外伝!〜成功例のカラクリ〜
それでは始まりです!!!
■心得其の121
「グーグル図書館の和解とピンハネ。知財立国を目指す国民の著者として」
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2009/05/27/5671
■エンタープライズ0.2 - 進化を邪魔する社長たち -
カンポの宿だけではないハコモノ0.2
http://journal.mycom.co.jp/column/itshacho/015/index.html
■誰も語らない現場の経営論!(通販支援ブログ)
【第5回】会議はしていただくもの。糖分摂取にまで気を遣う理由
http://blog.mutow-ms.jp/ec/keiei/post-430.html
■◆マンガ「Web担当者 三ノ宮純二」-
第7話:激安カニは売れるか?
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2009/05/29/5718
謝罪編、佳境ですので本題からはいります。
新規事業を立ち上げた直後のことです。
当時としては大きな受注に成功します。
キャパシティを越えており他者の協力を仰ぐことにしました。
経験の浅い船長指揮下の小舟が大海に漕ぎ出すとなり、取引先のベテラン船長が船頭役をかってでてくれました。
岸を離れ港は波間に隠れ、いよいよ外洋となったとき事件は起きました。
出航前にベテラン船長はいいました。
沖合に仲間の船が停泊していて、そこで給油できるから燃料はちょっとでいいよ。
仲間の船を見つけ、挨拶すると「燃料は渡せない」といいます。
運賃を支払えば代わりに積み荷を運ぶことはできるとも。
ベテラン船長は何の段取りもつけておらず、どうにかなると約束もせずに出航していたのです。
目的地までの燃料はなく、仲間の船とは荷主のライバル企業で荷物を渡すことなどできません。
そこで港に引き返します。
経験が浅いものにとってはまさに「未曾有の危機」です。
まず、荷主に謝罪です。
当然のように荷主は激怒します。
そして無理難題……こちらが約束違反しているのですが……を突きつけます。
できると受けた仕事がこちらの力不足でできないと謝罪にきています。
この上、実現不可能な無理難題を受け入れても結論的に迷惑を重ねるだけです。
そこで無理難題にノーといいました。
そしてこう切り出しました。
「おしかりなら後でいくらでもお受けします。今は荷物を届ける方法を考えましょう」。
大胆というか失礼というか私の頭の中には「職務完遂」しかありませんでした。
どうせ迷惑をかけているのなら、受けた仕事だけは完遂したい。
その他のことは終わってから考えればいいやという開き直りです。
そしてこの言葉が荷主を動かしました。
トラックを手配し陸送に切り替えます。
船からの積み替えは荷主の社員も協力してくれました。
結果、期日までに各地の倉庫へ配送が完了します。
最後の積み荷の報告を受けて荷主がようやく笑顔で、無事終わったことに安堵し声をかけてくれました。
「本当に申し訳ございませんでした」と心からの謝罪の後に「しかし」と続けます。
「倉庫から店頭に無事に届くまでは心配です」。
倉庫までが私の受けた受注内容であっても荷主の利益は店頭で発生します。
一時的に極度の心配性になったから口をついた台詞ですが、最後の最後まで気を抜かない姿勢と荷主は解釈し感動したと握手を求めます。
賠償も違約金も一切ナシです。
トラブルに立ち向かうことで「連帯感」がうまれたことも理由なのでしょう。
謝罪しなければならない状況は避けたいものですが、その時の対応によりマイナスをプラスに転じることを知った経験です。
以後、この荷主とは長いお付き合いとなりました。
念のため述べておきますが「物流」は例えです。
私は船舶免許を持っておりませんので。
今年に入り明治に凝っているのですが、更に時代を遡り半藤一利さんの「幕末史」に手を伸ばしました。読了しいまは昭和17年にいます。
その前は日露戦争で、渋沢栄一は幕末から日露戦争前あたりで浅野総一郎もこの時代です。
すると主人公を誰にするかで歴史どころか人物の評価がまるで異なります。
そして結論。
なぁんだ。
そんなものか。
そしてだから面白いのだと。
正しい歴史という概念も思いこみです。
新聞を手にしたらまず眺めます。
記事の面積比で事件の重要性を計るのです。
ただしこれも万能ではなく、各紙の編集方針、さらには思想信条で異なります。
これを読み解く方法はひとつしかありません。
「時系列」です。
パチプロの世界では「横の比較」と「縦の比較」という言葉があります。
「横」とは並んでいるパチンコ台を比較して、どちらがよく廻る(当たりやすいか)を見ることで、「縦」とは昨日、一昨日との比較です。
この作業により立体的に台の性能が見えてくるのです。
横の比較では全部の台が絞まっている(当たりにくい)とどれも同じに見えますが、縦を比較することで「店の意志」を見ることができるようになるのです。
新聞紙面にも通じます。
憲法改正にとりわけ過敏に反応する新聞がそのことを大きく報じてもいつものことですが、逆ならば何かあるのではないかと推理を働かせることができます。
新聞活用に「時系列」という軸が欠かせません。
IT業者はネットの成功例を喧伝します。
私も同業の端くれとして凄いなぁと感心していました。
過去形です。
嘘をついているとはいいませんがカラクリがあるのです。
カラクリその1。
成功例を語っておくと客が来るとそそのかされ、些少の成功例を喧伝している。
○○さんでホームページを作ったら「見たよ」といって大口の注文が入った。などがこれです。
カラクリその2。
確率論。
100社もホームページを作れば最低でも1社ぐらいは偶然成功します。
もともと商売に熱心で、ホームページを勉強するぐらい真剣なのですから実際の成功確率はもっと高いでしょう。
ただし、業者の手柄ではありません。
非難しているのではありません。
商売には「カラクリ」があるということです。
どうしてこのカラクリを知ったかの理由はシンプル。
その「成功例」が弊社に相談に来るからです。
「取引実績」の多さを謳う企業の社員数を見るとその実力もぼんやりと浮かんできて楽しいです。