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本気で「ホームページ」に取り組むためのマニュアル|ITジャーナリスト宮脇睦

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本気で「ホームページ」に取り組むためのマニュアル

ホームページの費用を尋ねるのは、ホームページが分からないから

 ホームページを作ると考えたときに、最初に考えるのが「費用(料金)」です。多くの企業の相談を受けてきましたが、やはりみなさん気になるのは料金です。現実的な予算の心配をするのは当然ですが、正しくは「料金しかわからない」から、費用にばかり目が向くのです。

 焼肉屋で考えてみます。行列ができる焼き肉屋として有名な足立区鹿浜の「スタミナ苑」は、米国のグルメ誌「ザガッドサーベイ」でも紹介されるほど、味に定評があります。1人当たり5千円ほどの予算から楽しめます。私見ながら、焼肉屋が集うことで有名な、台東区上野の通称コリアンタウンで、同レベルの注文すると2〜3割増し、あるいは倍になることもあります。

 この話しをしたとき、スタミナ苑を「高い」と感じる人もいました。その人は、日頃、リーズナブルさをコンセプトとする、ファミリー焼肉チェーン店や、2000〜3000円で食べ放題の店に通っていたのです。この人にとって「肉の味」よりも「料金」が焼肉屋を評価する基準だったのです。

 食べたことがない料理に、正当な評価を下すのは不可能です。ホームページにも同じことが言えます。ホームページをこれから作成しようとする企業にとって初体験です。またホームページは既に持っていても、それをリニューアルするときに先に「費用」が気になるのは、ホームページの価値を知らないからです。

 特に企業なら、ホームページがもたらす価値(メリット)が分かっていれば「費用」は二の次となります。なぜならホームページ作成の費用とは、そのもたらす利益の範囲内に収めるものであることを知っているからです。ホームページが100万円の利益をもたらすなら、99万円の費用を掛けられるということです。だから、この差額にこだわるのではなく、単純な費用にばかり目が行くということは、ホームページの活用法がわからないことになるのです。

ホームページを作る前に考えること

 企業がホームページを開設するにあたり、費用の前に考えなければならないことがあります。それが「Web担当者(ウェブ担当者)」の有無です。Web担とはホームページやネット関連を担当する職種の俗称として自然発生的に生まれ、インプレスビジネスメディアが運営するサイト「Web担当者Forum」により定着しました。厳密な定義・要件はありませんが、一般的にはホームページ管理運営の企業内担当者を指します。

 大企業にもなると専門部署に、数人から十数人のWeb担当者がいることもありますが、中小企業はひとりか二人いる程度です。2013年に大人気となったNHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』において、小池徹平さんが演じた「ヒロシ(ストーブさん)」が、観光協会の仕事の一環としてWeb担当者を任じられていたように、多くは専任ではなく他の仕事と兼任しています(※「あまちゃん」においてはWeb担当者として採用され、観光協会の仕事を手伝うので順序は逆ですが)。

 また、社長がWeb担当者というケースも少なくありません。むしろ、社長がWeb担当者というほうが上手く運営されているといってもよいでしょう。それはホームページとは、ネット上に解説された「支店」と同じで、すべての決裁権を持つ社長自身が担当することで、決断がスピーディーになるからです。

 Web担当者の有無は予算に直結します。ホームページは公開してからの、管理運営も必要となり、Web担当者の能力によりコストが異なるからです。また、極論をすれば、社内のWeb担当者にホームページ作成能力があれば、制作会社に発注する必要はなくなります。ただし、そのWeb担当者の能力と人件費と、制作業者の料金を比較し、品質と料金において業者の方が安価なら、その限りではありません。

Web担当者の資質

 コンピューターが苦手という理由で、Web担当者を新規採用した会社があります。Web担当者とひとくちにいっても、個人の能力差が激しく、イチからサイトを立ち上げる能力があるものから、用意された原稿をホームページ用に加工する技術しか持たない人まで様々です。採用されたWeb担当者は後者でした。

 彼のために新しいパソコンを買い与え、一日中、自由に過ごして良いと命じましたが、Web担当者は会社にとっては「新人」で、会社のことをまったく知りません。取引はもちろん、業務内容も知らず、なにから手をつけてよいか分からないまま、3ヶ月後に自ら退職を申し出たといいます。

 採用した社長はWeb担当者を雇えば、自発的に動き、会社の利益に貢献するホームページを作成してくれると考えていました。そういうWeb担当者を雇うためには、履歴書から身につけているであろう技術を見抜き、採用面接において自社が求める能力を保持しているかを確認しなければなりません。つまり、社長自身のホームページや、ネットの知識が必要と言うことです。

 社内にホームページに明るいものが見つからない場合、社長がWeb担当者となり、専門の制作業者に依頼することをお勧めします。

ホームページ制作業者の選び方

 ネットによる通信販売や、コミュニティサイトの運営など、目的が明らかな場合は、それを得意とする業者を探すと良いでしょう。それぞれのノウハウが蓄積されているからです。ただし、ホームページ制作業者の商品は、その「ノウハウ」ですから、料金は高めになる傾向があります。

 具体的な目的がなく、とりあえず始めたい。会社の宣伝をネットでしてみたい。実はこうしてホームページを始める企業が大半です。ネットで成功して、「成功論」を語っている企業が、サイトを閉鎖するためにわたしのところに相談にきた事例もあります。だからまず始めてみることをオススメするのです。

 そんな時の制作業者の選び方は「クチコミ」です。すでにホームページ制作業者と取引をしている、同業者や仲間からのクチコミがもっとも信頼できる情報です。ネット上にも多くのクチコミを見つけますが、ホームページ制作業者はネットの専門家です。自作自演で良い評判を拡散することなどお手の物です。

 周囲に良いクチコミをもつ、業者が見つからないことも多いことでしょう。いくつかの理由がありますが、ノルマに追われる大手企業は丁寧さに欠ける傾向があり、個人商店に代表される零細企業は、丁寧な仕事の裏返しとして、事業が継続できずに廃業してしまうケースが多いからです。

 例えばホームページ上にある「一文」を更新しただけで料金を請求すると、不平を漏らす企業は少なくありません。そして「サービス」を強要され、収益が悪化し、事業を畳んだ業者は数知れません。更新するためのソフトを揃え、技術を磨いていることへの見返りが制作業者の収入となり、そのときの作業時間だけで測れるものではないのですが。

 クチコミに期待できないときに、ホームページ制作業者を選ぶひとつの基準が「近所」です。会社の近くにある業者、同市内、区内にあるのがベストです。理由はふたつ。まず、何かあったときにすぐに足を運んで相談ができることです。あるいは訪問して貰うことも期待できます。

 ホームページの制作だけに限定すれば、リオデジャネイロの業者に依頼しても同じですが、メールのやり取りが主となれば、細かなニュアンスを伝えるのは困難です。その点、フェイストゥフェイスなら、身振り手振りで伝えることも可能です。

 スカイプなどで対面の代用とするアイデアもありますが、スカイプそのものを理解していないことも珍しくありません。また、ネットに疎い企業は、かなり確率でパソコンやIT機器に疎く、反対にホームページ制作業者の多くはこれらに詳しい傾向があります。するとネット以外の相談もできる点も近くの業者を推奨する理由です。

 もうひとつが、「悪さ」ができないことです。一部の悪質業者の中には、金だけ受けとって、何もしないホームページ制作業者もあります。近所の業者なら、スーパーマーケットで出会うこともあるでしょうし、同じ小学校に通う子供がいることでもあれば、その場凌ぎの適当な仕事ができなくなります。離れたところにあるホームページ制作業者が、適当な仕事をするということではありませんが、人情から見た事実です。

高い業者と安い業者の違い

 ホームページ制作料金はピンキリです。高いからと良くなる保証はなく、安いからと実力が無いとはいえません。ならば安くて良い業者をと思うのが人情ですし、経営者なら当然です。しかし、安すぎる業者の欠点は、安くしないと受注できない理由があることです。

 一般論ですが、極端に安い業者は、実力不足か経験不足、あるいはお客様とのコミュニケーションに難があります。ホームページ制作には国家資格は不用で、独学でも学べることから、すこしかじっただけでの素人が、商売としてはじめるケースがあるからです。

 実力不足と経験不足はニュアンスが異なります。制作会社に勤務していたり、広告代理店の下請けとして実務に当たっていたりする場合、技術的な実力はあっても、はじめからサイトを作る経験がなく、お客様からの指示を待つだけになりがちです。お客の側に的確な指示ができるノウハウがあれば、ベストマッチといえますが、この場合の指示とはホームページに関するものだけではなく、制作業者を使いこなせるノウハウも含まれ、Web担当者が広告代理店やプロモーション会社での実務経験が求められます。

 最後のコミュニケーションは経験不足と重なる部分もあるのですが、お客様と直接接した経験の少なさから、お客の希望を引き出す能力がということです。希望を理路整然と説明できる人はほとんどいません。知識不足や言葉足らず、あるいは多弁の影に本音を隠していることもあります。これを引き出すためには、会話コミュニケーションが不可欠で「営業力(接客力)」とリンクします。つまり、コミュニケーションの能力不足により、安すぎる料金しか提示できない可能性もあるのです。

 また、物理的なコミュニケーション不足に陥る業者もあります。それは会社勤めの傍らに、ホームページ制作を請け負っているケースで、すると対面による打ち合わせの時間の制約から、コミュニケーション不足に陥ります。

 反対に料金の高い業者は優れているのかといえば答えはノーです。大規模サイトや、特殊な技能を必要とするコンテンツを除けば、ホームページ制作業者間の技術の差はありません。仮にお客にリクエストされた時点で、技術や知識を持ち合わせていなくても、希望とするサイトがわかれば、そこから技術を盗む=学ぶことができるのがホームページの世界だからです。

 かつてはCMS(お客自身がホームページを更新できるシステム)による料金差などもありましたが、WordPressのように無料で利用できるシステムの普及により、仕組みによる違いはほとんどなくなったといって良いでしょう。

 写真を撮り下ろし、イラストは描き下ろし、文章も同様に、それぞれのプロに発注することを前提とし、料金設定が高い業者もあります。それぞれの品質にこだわるのなら、こうした業者は有力な選択肢のひとつです。反対に安い業者はどうしているのかと言えば版権フリーの写真素材を提供するサイト「足成」や、市販の素材集から転用するケースが多く、これらの品質も高いので、一般的にはそれほど気になるものではありません。

 問題は文章です。お客様自身の文章をそのまま掲載するのならば、そこで発生する料金差を検討する必要はありません。文章に自身がない、あるいは見栄えの良い文章にして欲しいという希望がある場合は、注意が必要です。ホームページ制作の技術に「文章力」は含まれていないからです。しかし、文章力はその業者のサイトに現れているので、それを参考として、実際に発注する前に、その文章を誰が書き下ろしたかを確認することで、業者の作文力を量ることができます。

ホームページ制作予算の妥当性

 費用対効果が認められるなら、理論上、制作予算はいくらでも構わないはずです。仮に従業員の給料を20万円として、それ以上の利益が出るなら、経営者は迷わずその人を雇うことでしょう。問題はホームページが、ビジネスにどれだけ貢献するかが分からないことです。

 結論を述べれば、用意できる範囲で妥当と納得できる料金が「適正価格」です。300万円の会社もあれば、30万円でも両社に違いはありません。むしろ、30万円しか用意できない会社が、借金を作り300万円でホームページを制作するリスクを怖れてください。

 仮にみすぼらしいホームページでも、開設し運営することで利益がでてから、その利益を再投資すれば良いのです。もちろん、ホームページ制作のプロに発注をすれば、みすぼらしいということはないでしょうが、事業規模・経験にあわせて、ホームページは成長させていけば良いということです。

 ただし、30万円の予算しかないのに、300万円の見積もりを提出する業者に、無理に仕事を発注するのは間違いです。ホームページ制作業者にも会社の方針があり、内部には見積もり方法があります。多少の「相談」はともかく、採算割れの依頼が仮に通ったとしても、それで互いに幸せになることは考えにくいからです。

 まずは、自社のホームページ制作予算を概算で固め、予算に見合う近所の業者を探すのがスタート時の「最適解」です。

ホームページ制作業者の料金の違い

 ホームページ制作の料金に、開きが生まれることに疑問を持たれる方もいることでしょう。一般的には「ネット通販」や「SNS」の運営などがない、中小企業のサイトなら、制作業者の作業に大きな違いはありません。

     料金差となって現れるのは
  • a)プロの手による実費
  • b)フラッシュを含む動画
  • c)特殊なデザイン
  • d)インタラクティブなプログラム処理
  •  です。以下、それぞれについて説明していきます。
a)プロの手による実費

 写真撮影やイラストの書き下ろし、サイトのシンボルロゴの策定などです。デザインで生計を立てているプロに発注するケースもあれば、ホームページ制作業者内で制作し、その費用を、計上することもあります。

 この費用は各社により異なり、また交渉余地が残るポイントです。製品写真や建物外観など、プロが撮影することで写真の質が高まることは確実ですが、その「費用対効果」は、保証されたものではありません。つまり写真を撮影する技術と、お客に訴えかける写真を撮影できる腕とは、必ずしもイコールではないのです。プロに発注する際は、必ず過去の「作品」を確認してください。また、気に入った「作品」を指摘しておけば、あなたの好みを折り込んだ仕上げにしてくれることが期待できます。イラストなども同様です。

 こうした料金を見積もりに計上しない業者もあります。これは確認が必要で、「文字だけ」のホームページを「基本」として、途中から「追加請求」してくるケースも確認されています。一方で、ロゴや見出しの文字加工などは、当然として見積もりに計上しない企業もあります。見積もりにこれらの項目がない場合でも、作業開始、あるいは契約書にサインする前に、かならず確認しなければなりません。

b)フラッシュを含む動画

 動画は制作業者からみれば、容易に見積もりを高くできる「ボーナスポイント」です。素人の多くは動画が好きで、特に年齢層が高くなるほど動画を喜ぶからです。

 ただし、動画は必ずしも必要ではありません。また、「フラッシュ」はアップル社のタブレット端末「iPad」や、スマホ「iPhone」の基本設定では閲覧できません。それよりも「ネット広告」「運営費」に予算を廻す方が建設的です。動画の導入は、サイトからの収益が得られるようになってからでも遅くはありません。

c)特殊なデザイン

 気鋭のクリエイターによるデザイン・・・が、高い評価を受けるのはWeb業界、ホームページ制作業界だけのことです。例えば美容室のように、「イメージ」が重視されるサイトならば、その採用が効果を産むこともありますが、一般的なお客様にとっては「分かりやすさ」のほうが喜ばれます。

 可能であれば、サンプルとして提示されたサイトを、実際のお客にみてもらい、その反応をもって裁可をくだすのが良いでしょう。

d)インタラクティブなプログラム処理

 マウスを重ねると細目が「一覧」で表示される「ドロップダウンメニュー」や、アコーディオンのように伸縮し、表示非表示を切り替える処理、画像がぐるぐる回る「回転木馬」などがこれに当たります。

 見かけ上の楽しさは生まれますが、必ずしも必要ではありません。また、これらの「技術」はネット上に公開されており、あまり高い「料金」ならば、別の業者を探すのも方法です。もっともこの「高い、安い」は、一般の方の基準と異なるので、必ずしも満足する料金になるかは保証できませんが。

料金に見る営業方針

 ホームページ制作の料金差は、「営業方針」の違いがもっとも大きいと言えます。一般的になったとはいえ、作ったサイト(ホームページ)に手を加える企業は多くなく、更新を考えるタイミングも、公開から数年経ってからというケースが多いので、ホームページ制作業者としては、一度の注文からできるだけ多くの利益を得たいと期待するのです。

 リニューアルを目的とし業者に声を掛けると250万円の見積もりが提出された事例があります。では250万円は「暴利」でしょうか。ホームページ制作業者の社員が5人いたとします。すると一人当たりの売上は50万円です。仮にこの案件に2ヶ月をかけたとすると、1ヶ月当たりの売上は25万円にまで減少します。

 一般的に社員を雇うには、支給額の倍が必要と言われます。各種保険に事務所の家賃などの維持費です。するとホームページ制作会社の社員の給料は12万円となります。250万円という数字だけをみると、高く感じてしまいますが、顧客数の限られているホームページ制作会社は、それなりの利益を確保しなければならないということです。

 一方、月額定額制で請け負うホームページ制作会社もあります。これは一度の利益の最大化ではなく、定期的な取引を確保することにより、収入の平均化を目指すと同時に、頻繁なサイト更新を促すための仕掛けです。

 一般的なホームページ制作会社の場合、更新作業は1ページ単位の見積もりとなります。更新毎に見積もりが必要となり、ページ数に比例して料金が発生します。一方、月額の費用だけで更新作業を請け負い、ページ数を問わずに対応する定額制の業者もあり、 手前味噌ながら、弊社もこの方式を採用しています。これはお客様の「更新欲求」を見積もりで挫折させないために開発した手法です。定額制の業者には、毎月の更新可能ページ数を限定しているところもあります。

 ただし、まったく更新しない月も費用が発生するので、一度公開したら更新しないというコンセプトの企業には不向きです。

 また、定額制でも「場所」を提供しているだけで、更新作業は別料金というサービスもあります。定額制を謳う場合、かならずその中身を確認してください。

有限会社 アズモード 代表
ITジャーナリスト・ビジネスコンサルタント
宮脇 睦
(みやわき あつし)
本記事を執筆した 宮脇 睦の連載記事はこちから
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