Web2.0とは何か
Web2.0は本当にビジネスを変えるほどのインパクトがあるのか? 果てして新時代の潮流なのか?
週刊SPA! WEB2.0本大賞に輝いた「Web2.0が殺すもの」の著者が解説します。
Web2.0という評価自体がない
裏原宿の流行と、パリの最新モードと、ニューヨーカーのダイエットトレンド、それにモンゴル相撲の人気力士にパプアニューギニアの流行語を同列に語ることができるでしょうか?
本来は別の基準、評価が必要なものを無理に一つにまとめたインターネット、またそれに関連するビジネスの総称が
Web2.0だと考えております。
Web2.0とはインターネットの新しい時代の到来を指すのではなく、マーケティングとして都合よく利用しているというのが実体です。
Web2.0の由来
Web2.0という言葉自体は古く、1997年3月には「
Metamorphosis World Wide Web 2.0(John Wiley & Sons Inc)」が、1998年11月には「
Digital Web 2.0 (Mage: The Ascension) 」が出版されています。
今の「Web 2.0」はティム・オライリーが2004年に「名付けた」ことになっております。
そして今の「Web 2.0」は非常にビジネスライクな動きがティムと仲間たちによって仕掛けられていることはあまり語られないことは不思議な話です。
参考文献:
「ティム・オライリー≒じゃいあん」という疑念(Web2.0が殺すもの)
Web2.0の布教活動
日本国内でWeb2.0という言葉が広まりだしたのは、インターネットに詳しい人の中では2005年頃で、ネットの外に飛び出したのは梅田望夫氏の「
ウェブ進化論」のベストセラーによるものでした。
梅田望夫氏はコンサルタントの立場から確信犯的に「次の未来」への可能性を示し、時代の変化と位置づけ、変化についてこれないものへの警告を発しました。
ライブドア・楽天と既存の勢力に刃向かう、正体不明に映る新興勢力を説明するに適当な言葉を探していた「時代」に「Web2.0」がはまったのかも知れません。
Web2.0という経済活動
日本を代表する経済紙「日本経済新聞」が
Web2.0を紙面に踊らせたのが、ソーシャルネットワークサービスの「mixi」の上場申請が認められた翌日からでした。その後、mixiは日本のWeb2.0企業の代表として度々紹介されています。
Web2.0のマイナスの面
定義自体があやふやな
Web2.0ですが、前述の「
ウェブ進化論」で肯定的に取り上げられている「不特定多数無限大」や「みんなの意見は案外正しい」は一つの説としては興味深いものがありますが、それらが必ず「善用」されるとは限らないことにも注意しなければなりません。
ブログの「炎上」などは「不特定多数無限大」による、特定状況下で特定の考えを「正しい」として意見を押しつける行為です。
論を展開する上で不都合なものを取り上げないことは当然ですが、どんなに優れた技術も思想も精神も「悪用」されるリスクがあります。
シリーズ第18弾!YosenshaPaperbacks018
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