●そもそもホームページ屋さんって何だろう?
昨年、地元の企業後継者や若手経営者の集まる異業種交流会に参加したときに浮かんだ疑問です。
参加者の全てが中小企業や個人商店の集まりですが、3割ぐらいはホームページを既に持っており、残りの8割の方も「興味がある」「将来は持ちたい」と言います。
その中で「(ホームページ製作)業者に発注した」という薬局を開業された方から相談にのって欲しいとお願いされました。
「ホームページってどうやって作れば良いんでしょうか?」
後日、詳しく相談を伺うとその業者は簡単なサイトマップだけ用意して、それでは「原稿を用意して下さい」と見積を提出していきました。
その見積をみるとホームページデビューで、パソコンが得意でない方には明らかに不要なものも計上されています。
第一、普段から原稿を書いていない「原稿素人」に書いてくださいと言って書けるはずがありません。
自分の商売に関しては「プロ」であっても、「原稿を書くプロ」ではないのですから当然なのです。
この時はよくよく見ると見積りではなく「申込書」になっており(これも詐欺っぽいのですが)解約も面倒でトラブルはイヤダということだったので、原稿を書く際の「ポイント」「切り口」といった、プロなら当たり前の視点をレクチャーし、「不要な見積」を削除させることしか出来ませんでしたが・・・こういった一方的なホームページ屋さんが多いことは後々知りました。
そこで湧いた疑問が「そもそもホームページ屋さんって?」というものです。
●上手くいっている!という話の裏側
異業種交流会で出会った方から、その後沢山の連絡を頂きました。
その殆どが、ホームページを「もう持っている人」からです。
そして相談の全てが「どうしたらホームページに人が来るのでしょうか?」という相談です。
相談者のホームページの多くは「ホームページ屋さん」に発注して作ったものです。
見ると見た目は立派なものが多いのですが、SEO(検索エンジン対策)が施されていなかったり、この文章じゃお客さんが分からないよな?というものばかりです。
そして何より、「客を集める」ことには無関心なのです。
しかし、人が集まっている所で、ホームページが上手くいっていないとはいいづらいのが「人情」です。
色んな相談を受ける中で「実は・・・」と、ホームページの反応がなかったと告白する中小企業は多くあります。
ただ、仲間内では「パイオニア」に祭り上げられているのでしかたなく「上手くいっているふり」をしている人
●ビジネスホームページの作り方
ホームページは素人でもできる!と一時期持てはやされましたが本当でしょうか?実は、これは本当だけど嘘なのです。
確かにホームページビルダー等のホームページを作るためのソフトを使えば、特別な知識がなくてもワープロを打つ感覚で作ることが出来ます。
しかし、それで「ビジネスホームページ」ができるかというと・・・できないのです。
ビジネスホームページはあなたのお店の「インターネット支店」です。これは比喩ではなく事実です。その「支店」が中学生の学園祭の模擬店でお客さんはあなたのお店を信用するでしょうか?
これは見た目やデザインだけの問題ではありません。有名建築家が建てたお店で、有名デザイナーに内装を依頼して、美男・美女のCMモデルを店員にした「支店」を開いたとします。しかし、このCMモデルの「店員」の頭がカラッポだったらどうなるでしょう?
確かにデザインは大切ですが、ホームページはお店であり、売場であり、そして営業マンでもあるのです。ここが「ビジネスホームページ」で一番大切な視点なのです。
●営業の素人に従業員教育をやらせるのか?
しかし、この視点が語られることは希です。
まして、ホームページ製作業(ホームページ屋さん)の多くがこの視点を持っていません。
ITバブルの頃、沢山のホームページ屋さんが「独立・開業」しました。今の流行だと起業というのでしょうが、この時独立したホームページ屋さんの多くがその後転業したり再就職しています。
2004年にブームになった「週末起業組」も週末から脱出できなかったり、起業後の苦戦も耳に届きます。
これは何故でしょう?
実は多くの「ホームページ屋さん」は「営業職」の経験がありません。
これは商売をされている方には当たり前のことですが、店頭での接客も含めて「営業」しない商売なんてあり得ません。しかし、挫折していく多くのホームページ屋さんがここを「安易」に考えていたのです。
どう集客して、どう成約し、再来店・再利用を促すか?といった儲かる仕組みを知らないのです。
それでいてどうやってお客さんの利益に貢献できるホームページ作りができるというのでしょう?
つまり、営業の素人が営業部の新人研修をしたり、接客研修の講師をするようなものです。これは無謀です。
それが証拠に、本当に利益に貢献できるホームページを作るホームページ屋さんなら、先ず「自分のホームページ」で儲けるのが本筋ではないでしょうか?
●全てはお客さんの声から
私は「足立区を東京1番にする!」という「足立区、東京ナンバーワンプロジェクト」を提唱し、地元足立区を盛り上げ、地域活性化をしようと企んでいます。
その為、地元企業や商店からの「相談」には可能な限り対応しています。
しかし、「相談」には限界があります。
また、私が毎週土曜日に発行しているメルマガ「伸びる会社は知っている」の読者の方からも、同様の相談が沢山寄せられていました。
技術的な「ホームページの作り方」は掃いて捨てるほどあります。
技術だけを提供する「ホームページ屋さん」は佃煮にするほどあります。
しかし「ビジネスホームページ」「原稿の書き方」「ホームページ屋さんとのつき合い方」といった、「技術を使いこなす為の方法」はどこにもなかったのです。
そこで「プロが教えない話」を書き下ろす決意をしました。
タワゴトをいう「ホームページコンサルタント」が最近増えてきたことも理由の一つです。
あるコンサルタントは「ヤフービジネスエクスプレス」を奨めていました。確かにやらないよりはやった方が良いでしょう。しかし、今、52,500円(ヤフービジネスエクスプレス)使うのなら、オーバーチェアやアドワーズのような検索キーワード連動広告の方が遙かに効果的です。ましてや今後、ヤフーが「ロボット型検索」に舵を切ったこのご時世にです。
本書は専門用語を極力控え、文系の人にも分かるように書き下ろしました。いい加減なコンサルタントやホームページ屋さんが専門用語で煙幕を張るのに対抗してです。今までホームページに苦手意識を持っていた人にもわかる作りです。
これも「専門用語が分からない」という「お客様の声」をもとにしています。
客が集まるビジネスホームページを目指すなら、できるだけ早めにお読み下さい。いわゆる「常識」がいかにいい加減かを早く知るだけで・・・チャンスです。
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