1:伸びる会社は知っている!〜ポケベル文化からの発展系だったのです〜
平成生まれの子供達は思いの外素直で、目を輝かせて聞いてくれたので私の方が逆にエネルギーを貰ってきました。
「イマドキの子供は」
で括っちゃいけないんだなとあらためて気づかせていただきました。
とはいえ、金を稼ぐことや仕事については、ピンときてないようでしたが、当然といえば当然かも知れませんね。
さて、決算発表が相次いでいますが、先週話題にした「ライブドア社」は予想以上の高収益を上げています。
通信と放送の融合はアンドロメダ星雲より遠いとはいえ、買収ゲームにおいては確実に利益をだしているわけですから、堀江社長にとってはまさしく「想定の範囲内」ではないでしょうか?
私自身は堀江社長のやり方をエレガントと思えないので好きではありませんが、一つだけ共感できることは
「人のやらない手を打つ」
ということです。これは後発が伸びるためには絶対条件で、人の手がついていないポイントを見つけて、ほかの人が手をつける前に手を出さない限り、先発隊や資本力のある「もう得ている人」に勝つことがむずかしいからです。
ドコモはそのルーツを電電公社に持ち、母体はNTTという超優良サラブレッドです。
その中でもドコモは特殊な企業に上げられますが、競争条件は有利だったといえるでしょう。
なぜなら、ポケベル世代、ポケベル文化をそのままPHSや携帯へ移行させることができたからです。
そこに登場したiモードは、先物買いの好きな人たちが
「モバイルコンピューティング」「ネットワーク時代の到来」
と飛びつきましたが、その「つかえなさ」に落胆しました。
ところが、この「iモード」を盛り上げたのが、ポケベル文化からの発展系だったのです。
当初、ドコモ側が喧伝した「コンテンツ」は、銀行振込や競馬情報、株式等でしたが、実際にヒットしたのは占いサイトのような「役に立たない」ものでした。
「必要」より、「オモシロイ」が起爆剤となったのです。ポケベルで遊んでいた世代からすれば、数字だけの画面より、ちゃんと文字が出るわけですからどれだけ便利に感じたことでしょうか。
こうしてiモードを旗頭にしてドコモの大躍進が始まりました。
もともと有利な競争条件に加えて、ファンタジスタを手に入れたのですからその強さは圧倒的でした。
ドコモとのそれ以外という状態が長く続きました。一時期は東京デジタルホンからJ-phoneが藤原紀香を擁して攻勢に出ましたが勢力地図を塗り替える前に内紛で失脚しました。
皮肉なものですが丁度そのころ、auが「第2電電」路線から大きく舵を切り今に続く最初に一歩に踏み出したのですから。
<つづく>
|